■創業期:中古ビジネスホンを始めた理由
長年お付き合いをさせていただいている、大切なお客様とのエピソードです。
そのお客様は拠点の開設や移転、縮小・拡大などが頻繁にあり、毎月のように電話工事のご依頼をいただいておりました。
ある時、大きなビルへ新たに拠点を開設することになりました。しかし、お客様の取引先からの強いご要望により、当社ではなくNTTのビジネスホンを導入しなければならない状況となり、ご相談を受けたのです。お客様ご自身の付き合いもございますので、仕方がありません。「導入後のお手伝いだけでもさせてください」とお伝えし、ご了承いただきました。
ところが実際には、NTTのビジネスホンは導入されませんでした。 理由は「高すぎる。ビジネスホンに1,500万円(300内線規模)もかけられない」というものでした。私自身も「それは確かに高すぎる」と感じたのを覚えています。
結果として、再び当社へご相談が戻ってきました。とはいえ、規模に合ったシステムをご用意するとなると、当社でご提示する場合でもやはり高額になってしまいます。長年お世話になり、苦しい時期も変わらず支えてくださった大切なお客様です。どうにかしてご期待に応えなければなりませんでした。
世間一般では、このようなケースにおいてリースを活用するのが通例です。しかし当時からお客様は「リースでの導入が必ずしも最適とは言えない(本質的には負債である)」という点を理解されていました。そのため、リースに頼らずコストを抑える方法を模索することにしたのです。
そうして辿り着いた答えが、「中古品の活用」でした。
当時は中古市場が確立されておらず調達には苦労いたしましたが、無事に納品を完了させることができました。最終的な総額は、500万円ほどに抑えられたと記憶しております。
この一件以来、新品のビジネスホンは当社のメイン商品ではなくなりました。お客様のご要望に真摯にお応えしていくと、新品のご提案をする機会が自然と少なくなっていったのです。 (※2013年当時までの状況です)
現在では、当社のお客様におけるビジネスホン導入のほとんどが、中古品を活用した格安での導入となっております。
さらに、当社とお客様とのお付き合いは、格安ビジネスホンのご提供だけにとどまりません。ITを活用したさまざまな課題解決に至るまで、深く寄り添い続けています。
おかげさまでその後も、毎月数十件単位で多くのお客様とのご縁が広がっておりますが、そのほとんどで中古ビジネスホンをご導入いただいております。
ここでひとつ、知っていただきたい点がございます。 お客様は決して「コストを優先して古くて使いづらいものを我慢して使っている」わけではありません。高度なビジネスホン機能をしっかりと使いこなし、最新の電話サービスも賢くお得に活用されています。実際、ほとんどのお客様がIP電話も導入されています。お客様ご自身が、真に価値のある賢い選択をされているのです。
その後、当社では中古ビジネスホンの販売にとどまらず、レンタルサービスもスタートいたしました。そうして立ち上げたのが、当サイト「レンビジドットコム(renbiz.com)」です。

■そして時代は、IPへ ── 現在に至るまで
ここまでのお話は、創業当時の2004年から2013年頃までのエピソードです。
当時のビジネスホン業界は、どこか閉鎖的な雰囲気に包まれていました。導入費用は非常に高額で、大手事業者の製品は値引きされることもなく、メーカー系列の代理店経由でしか手に入らない時代でした。また、訪問販売の営業担当によるリース契約を活用した強引な手法が蔓延していた時期でもあります。
本来、設備投資にレバレッジを効かせることは企業の経営手法として一般的であり、リース契約を活用した投資自体がすべて悪いわけではありません。 本当の問題は、仕組みを十分に理解できないまま「言われるがままに契約を結ばされ、不要な負債を抱えてしまうこと」にあります。
そのような時代背景の中、当社ラピッドテレコムが「中古ビジネスホンの格安現金買い取り導入」や「リースと異なり途中で解約可能なレンタル契約」といったサービスを提供し始めたため、当時は周囲から「変なことをする怪しい会社」と思われていたかもしれません。
しかし、世の中では「エコ(リサイクル・再利用)」が重要なキーワードとして注目され始めていました。
これまで「中古」という選択肢が存在しなかった分野において、中古ビジネスホンを専門的かつ安定して提供できる体制を整えられたことは、社会にとっても大きな意義があったと確信しております。
■創業から時間を重ねて ── 業界の変化と新たな挑戦
創業から14年という歳月が過ぎました。その間、ビジネスホン業界には数々の試練や変化が訪れました。
具体的には、以下のような環境の変化がありました。
- 競合の増加と調達コストの高騰
中古ビジネスホンを取り扱う業者が増えたことで、当社の独自性や優位性が薄れるとともに、中古品自体の仕入れ価格が高騰していきました。 - ビジネスホン市場の全体的な縮小
ビジネスホン販売詐欺事件などを機に悪徳業者が淘汰され、生き残った競合他社も主力商材をビジネスホンから他分野へとシフトしていきました。その結果、新品の販売数が激減し、市場に流通する中古品の量そのものも減少しました。 - 技術革新による市場の転換
クラウドPBXやIP-PBXの台頭、ならびにNTTの事業方針転換に伴い、当社が果たすべき使命も変化しました。現在では、IP技術に強みを持ち、独自の高機能サービスをご提供できる「特徴あるラピッドテレコム」へと進化を遂げています。
当社はこれまで培ってきた豊富な経験を活かし、マルチベンダーとして中小企業の電話環境を包括的にサポートしたいと考えております。
創業から15年以上が過ぎ、時代がどれほど変化しても、中古ビジネスホンの取り扱いを始めた当時の想いに変わりはありません。
- 「大切なご友人に送るような、誠実で親身なアドバイスをお客様へお届けすること」
- 「ほんの少しであっても、確かな違いを生み出せる存在であり続けること」
これからも当社は、この2つの志を胸に刻み、お客様のご期待に応え続けてまいります。

■時代の波とビジネスホンの変遷 ── 業界を揺るがした4つの転換期
①中古ビジネスホンを取り扱う業者の増加と仕入れ価格の高騰
不景気の影響を受け、新品のビジネスホンが売れにくい時期がありました。その際、新規のお客様を獲得する手段として、中古ビジネスホンの取り扱いを開始する同業他社が急増したのです。
当社が創業した当時は、中古品を扱う企業は全国でも数社ほどしか見当たりませんでした。しかし時代が進むにつれ、Webで検索すると無数の業者がヒットする状況となり、当社の存在はすっかり埋もれてしまいました。
中には、中古ビジネスホンをメインで提供する意思は全くなく、単なる「客引き」として宣伝に利用している業者も存在し、非常に歯がゆい思いをしたのを覚えています。
そうした中で、当社ラピッドテレコムは他社との確実な差別化を図るため、アフターサポートを大幅に強化いたしました。その一環として開始したのが、「最長5年間の無料長期保証」です。
一方で、市場の広がりとともに仕入れ環境も大きく変化しました。リース会社自身が撤去された中古機器を自社利益に変えるため、専門の回収業者と組んで中古ビジネスホンの卸売事業に参入してきたのです。
それまでの当社は、ほぼ手元費用がかからない安価な状態で製品を入手し、丁寧な清掃・クリンネス作業や厳密な検品チェックといった手間をかけることで、高品質な中古ビジネスホンを低価格でお届けしていました。しかし、市場全体の仕入れ価格が高騰したことにより、中古ビジネスホン本来の「圧倒的な低価格」という魅力が薄れていくこととなりました。

②ビジネスホン詐欺事件の勃発と業界の構造変化
やがて、ビジネスホン販売業界の根底を揺るがす大きな事件が起こりました。
住宅のリフォーム詐欺が世間を騒がせた少し後、テレビ東京の報道番組にて「ビジネスホン販売詐欺」が取り上げられたのです。これはリフォーム詐欺と同様の手口で、更新の必要がない高齢の零細企業経営者を狙い、巧みな営業トークで高額なリース契約を交わさせるという悪質なものでした。
社会全般としては小さなニュースだったかもしれません。しかし、それまでそうした販売手法を容認していたリース会社が一転して、クレームの入った販売店を次々と切り捨てにかかりました。
突然の取引停止により、売上が一瞬でゼロとなり、わずか数ヶ月で倒産に追い込まれる販売店も相次ぎました。また倒産を免れた店舗であっても、お客様からクレームが入るとリース会社から「販売店側で対応し、納得されない場合はリース契約を解約するため返金しなさい」と厳しい追及を受け、多額の返金対応を余儀なくされた業者も多く存在したようです。
もっとも、そうした追及を受けた業者の多くは、元々不当な高額利益を上げていた会社でした。手口や扱う商品を変えながら、現在でも事業を続けているケースは見受けられます。
この事件以降、リース会社がビジネスホン販売に対して極めて慎重な姿勢をとる傾向は今も続いています。審査基準が厳格化されただけでなく、契約時には通常の書類に加え「電話機リース確認書」などが別途用意されるようになりました。「詐欺的な説明はありませんでしたか?」といった確認項目が存在し、問題なしとチェックが入らなければ審査が通らない仕組みになっています。
当時から当社ラピッドテレコムは、悪質なリース販売の手法に対して批判的な立場を取り、ブログ等で情報発信を続けておりました。そのため、この報道の直後にテレビ局から取材依頼が届いたのです。
取材では、業界の裏側にある構造やリース会社の関与、さらにはNTTの影響力についてありのままをお話しいたしました。しかし残念ながら、その内容が実際に放送されることはありませんでした。大口の広告主であるNTTに対して不利益となる情報は扱えないという、メディアの現実を痛感した出来事でした。
一連の事件を経て、業界には以下の変化が定着することとなりました。
- リース会社の審査基準およびチェック体制の厳格化
- 悪質な営業を行うビジネスホン業者の減少(他商材や他業界への移行)
- お客様における「リース契約」そのものへの警戒感の高まり
- リース利用時におけるメリット・デメリットを正しく理解されるお客様の増加

③ NTTの事業方針転換 ──「光コラボレーション」の開始と裏方への移行
NTT東日本・西日本は現在もテレビCMなどを放映しているため少々分かりづらいかもしれませんが、直接販売を継続しつつも、2015年に「光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)」を立ち上げ、提携事業者へ光回線サービスを卸して実質的な裏方へ回る構造へと大きくシフトしました。
これは、旧電電公社からNTTへと発足して以来の極めて大きな転換と言えます。
NTTはこの仕組みにより、自社で高額な販売促進費や代理店インセンティブを支払って営業展開をするスタイルから転換しました。直販体制や小規模代理店を整理・縮小することで大幅なコストカットを実現し、顧客への一次対応や販売活動の多くを提携事業者(光コラボ事業者)へ委ねるビジネスモデルを構築したのです。
コラボ事業者が限られた収益性の中で懸命に営業活動を繰り広げている背景には、NTTが設計した以下のような仕組み(ルール)が存在します。
- 初期移行のハードル変更:NTTから光コラボへの乗り換え(転用)手数料の優遇措置
- 途中解約時のコスト:解約や乗り換え時にユーザー側へ発生する高額な違約金
- 電話番号の縛り:一度光コラボへ移行すると、従来の番号を他社コラボやNTT直契約へ戻すことができず、番号変更を余儀なくされるケースがある点
その結果、コラボ事業者にとっては「他社に契約を奪われると取り戻すことが極めて困難になる」「一方で自社顧客として一度獲得できれば強力な囲い込みになる」という構造が生まれ、必死な営業活動へと繋がっているのが現状です。
当社ラピッドテレコムでは、こうした制約やデメリットに対して得られる費用対効果が乏しいと考え(※光コラボの営業で提示される料金比較には不正確な情報が含まれている場合があるため注意が必要です)、安易な光コラボへの移行はお勧めせず、「NTT直接契約のままご利用いただくこと」を推奨しております。
当社では、ビジネスホンをご利用中のお客様向けに「インターネットが使えなくなった」などの無料トラブル相談を日々受け付けており、お客様に代わってNTTへ問い合わせを行い、迅速な障害復旧をお手伝いしています。
しかし、お客様が光コラボ事業者へ契約を切り替えてしまうと、障害時の受付窓口もすべて各コラボ事業者へ移行するため、当社での対応代行ができなくなってしまいます。
コラボ事業者によってサポート体制や対応力には大きなバラつきがあり、NTTの直接対応に比べて故障の復旧までに時間がかかる場合も少なくありません。場合によっては当日中に復旧せず、翌日以降に持ち越されてしまうリスクも存在します。
だからこそ当社では、NTT直契約のまま安心のサポート体制を維持していただくことをお勧めしているのです。
なお、当社がご提供する「ラピッド光電話」は、いわゆる光コラボレーションモデルとは異なります。光コラボで課題となりがちな「他社への番号移行ができない」「NTTに戻せない」といった制限を受けることなく、柔軟にご導入いただけます。
当社ラピッドテレコムは、お客様の自由度と安心を第一に考え、安易な光コラボ導入には疑問を呈し、真にメリットのある環境づくりをご提案いたします。

④ ビジネスホンのIP化とクラウドPBXの台頭
通信業界の技術革新に伴い、時代は確実にIP(インターネットプロトコル)化へと進み、NTTやKDDIをはじめとする大手通信キャリアの外線IP化も加速しました。その中で、従来の物理的なPBX(電話交換機)設備を自社内に置く必要のない「クラウドPBX」という新たな選択肢が登場してきたのです。
当社ラピッドテレコムは、従来のビジネスホン施工業者としては珍しく、早くからIP-PBXやオープンソースの交換機ソフトウェア「Asterisk(アスタリスク)」に対して肯定的な姿勢をとってまいりました。すでに2010年頃から研究・検証を開始しており、現在では特定の方式に偏ることなく、あらゆるタイプのビジネスホン・PBXを取り扱う「プロショップ」としてのポジションを確立しております。
IP化に伴う主な技術動向と、当社の取り扱いソリューションは以下の通りです。
- IP-PBXメーカーによる先行(スマホ内線化)
IP-PBX専門メーカーが先行し、スマートフォンをビジネスホンの内線として活用する仕組みを確立しました。 当社の主な取扱製品:MOT/PBX - Asteriskを活用したコールセンター構築
Asteriskを活用して高機能なコールセンターシステムを構築・提供するネットワーク系事業者が増加しました。 当社の主な取扱製品:BIZTEL、FreePBX - クラウドPBXサービスの本格普及
Asterisk技術を基盤としたクラウドPBXサービスが盛んに提供されるようになりました。
当社の主な取扱サービス:エリア(area) - 大手キャリアおよび従来型メーカーの参入
大手通信キャリアが大規模向けクラウドPBXを展開する一方で、伝統的なビジネスホンメーカーも満を持して高度なIP-PBX機能を組み込んだ製品を投入しています。
当社の主な取扱製品:NTT αA1/B1、サクサ PLATIAシリーズ など
オフィスの電話環境を本当に最適化しようと考えた場合、上記のようなタイプのどれか一つだけで完璧にカバーすることは、実のところ容易ではありません。企業の成長や業務態勢の変化に伴い、最適なシステムを組み合わせることが不可欠となります。
だからこそ当社は、長年培ってきた経験とノウハウを活かし、特定のメーカーにとらわれない「マルチベンダー」として、中小企業様の電話環境を包括的にサポートしたいと考えております。
創業から15年以上が過ぎ、テクノロジーや時代背景がどれほど変化しようとも、中古ビジネスホンの取り扱いを始めた当時の志が変わることはありません。
- 「大切なご友人に送るような、誠実で親身なアドバイスをお客様へお届けすること」
- 「ほんの少しであっても、確かな違いを生み出せる存在であり続けること」
これからも当社は、この信念を胸に、お客様にとって真に価値のある最適なオフィスの電話環境をご提案し続けてまいります。



